徒然なるままに 日くらしパソコンに向ひて 心にうつりゆくよしなし事を そこはかとなく書きつくるブログです(大嘘)

恥の多い生涯

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西安ツアー2日目。

起床はまさかの6:30。

昨日紹介し忘れたが、ルームメイトはK女史。これからよく記事に出てくるので、わざわざ紹介画像まで書いた。ちなみに許可は取ってないので後で怒られる。うん、でもやりたかったからしょうがない。

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私より2つ年上のお姉さん。ショートカットがよく似合うクールなお姉様だと思ってたら、実際5%もまともなこと言ってない(気がする)。変人同士波長が合う。大好き。

 

1.恥の多い生涯

ホテルで朝御飯を頂いて、8時頃兵馬俑へ向けて出発。いつもならまだ寝てる時間なので意識朦朧。バスで揺られること40分。秦始皇帝兵馬俑博物館に到着。

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入館チケットを受け取って一旦お手洗い休憩。

おかしい。明らかに様子がおかしい。お腹からギュルギュル音がする。生来、胃腸弱の私はすぐにわかった。数十分後には下痢が来る

洋式便所に座りながら私は考えた。原因は何だろう。夕飯が合わなかった?お腹出して寝たのがダメだった?とにかく思い当たる節が多過ぎてよく分からない。下痢が来てしまえば30分は絶対動けない。でもここまで来たし兵馬俑は見たいよなぁ……どうすっかなぁ。

考え、考え抜いた結果、私はお腹に時限爆弾を抱えたまま、何食わぬ顔でツアーに戻ることにした。ええい、ここまで来たら、厚かましくも兵馬俑を一目見てから下痢の相手をしよう。それからでもきっと遅くないだろう。

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悪寒に震えながら第1号坑で兵馬俑とご対面。おおー…すげぇ。……でもお腹痛ぇ…の感想以外出てこない。

「はいはい、すごいすごい。兵馬俑だよ。見た見た。もう見たから、ほら早くお手洗い行こうよ。」と脳内の悪魔が囁く。

「ダメだよ!こんなに皆が夢中になってるときに水を差すようなこと言えないよ!もうちょっと我慢しようよ!」と脳内の天使。

どうすっかなぁ……。私は凡そ正常な思考判断ができない状態であったので、訳もわからず悪魔と天使どちらの意見も採用、折衷して「水を差さないように、黙ってお手洗いに行く」という団体ツアーでは特にタブー視される無言単独行動に打って出たのであった。

見つからないようにコッソリ団体から離れ、近くのお手洗いへ。途中の自販機で5元のミネラルウォーターを買って、すぐに痛み止めを服用。段々落ち着いてくる。

あと10分ぐらい安静にして、人知れず団体に紛れ込もうかと思ってたら、遠くのほうから「鈴木さぁぁーん」の声。あぁ、見つかってしまった。みんなに迷惑掛けてしまった。その申し訳なさと、自分の浅はかさが酷く恥ずかしくなってなかなか返事ができない。

また「鈴木さぁぁーん」の声。確実に近づいて来ている。引率の白雪梅先生の声だとわかった。先生ほどの作家さんにご足労をお掛けしたなんて……ますます血の気が引いてくる。こうしちゃいられないので「はーーぁい…」と個室の中から蚊の鳴くような声で返答。白先生その声に気づいて「よかったデス。お腹イタイですか?」と扉越しに心配してくれる。御迷惑をお掛けしたのに怒らない白先生の懐の深さに恥じ入って、まともに顔向けできない。10分後、体調全快し、団体に合流。K女史も私の過ちを咎めずに心配してくれる。情けないったらありゃしない。穴があったら、すかさず入って兵馬俑の1つとして整列したい気分だった。

 

2.オカルティック

慌ただしく見学を終えて、お次は兵馬俑博物館から西へ約1.5km、秦始皇帝陵へ。両者の位置をわかりやすく整理すると下図のようになる。

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始皇帝の陵墓を守る副葬品として、兵馬俑が作られたことがよくわかる位置関係。

1号坑(歩兵)、2号坑(弓、騎兵、戦車)、3号坑(最高司令部隊)と、秦軍の構成が忠実に再現されているらしい。

いやいや、この布陣だと、東からの敵にしか対処出来ねえじゃねーか!とか私に言わんで下さいよ。一通り調べても、よくわからんかったです。私の脳みその出来じゃ理解出来ない、何か素晴らしい理由があるのでしょう。例の如く、有識の方に教えてもらいましょ(他力本願)。

5月7日筆者追記

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どうやら本当に東からの敵に備えるのみでよかったらしい(敵が東にしかいなかった)。

西方にも諸々の少数民族がいるはずなんですが「あいつら弱いから西からは攻めてこんやろ」って感じなんスかね。強気。

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さてさて、写真奥の山みたいなものが始皇帝陵。

すごく整備されている。整備して観光地にするぐらいなら地下を掘れよと思うが、出土品を完璧に保全出来るだけの技術も資金もないのだろう。未だ始皇帝陵の地下宮殿は手付かずである。

私のようなオカルト好きは史記

「水銀を以つて百川・江河・大海と為し、(略)上は天文を具え、下は地理を具え、人魚の膏*を以て燭と為す」司馬遷史記」始皇本紀第六より引用

* ここでの人魚の油はもちろん、マーメイドの油ではなく鮠(はや)の油とするのが一般的。マーメイドだったらなぁ…と妄想せざるを得ない。

という半ば伝説のような記述を信じてみたり懐疑してみたりと忙しいが、最近の考古学的成果では「ほぼ真」とするらしい。1980年代の調査で水銀の蒸発が確認されたとも言う(浅学にてソース不明)し、まだまだロマンが詰まってる印象。

大仙古墳も(ほんの僅かだけど)掘ったんだから、日光東照宮始皇帝陵もチンギス・ハーンの墓も掘らせて下さいよ。ね、いいじゃん。歴史のミステリーがまた一つ解けるんだから!盗掘されてるかもしれないけど掘ってみたいじゃないすか。

私が死ぬまでに掘らずとも内部を可視化できる機械が出てくればいいんですけどね。でもまぁ、好奇心は猫をも殺すと言いますしね。はてさてどうしたものか。

 

3.テーマパーク化

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お昼御飯を頂いて、いざ華清池へ。

華清池は『長恨歌』にも登場する、玄宗皇帝と楊貴妃のロマンスの地であります。その他にも張学良が蒋介石を軟禁した西安事件の舞台でもあって胸踊る。


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極楽浄土かと見紛うほどの絶景。ステキ。私もこんな別荘欲しい。

細い腰をくねらせ、色っぽい楊貴妃像。彼女は果たして幸せだったのかなぁ、と石像を見ながら妄想。

wiki読んでる限りじゃ、玄宗の気を引くためにあれこれ駆け引きしたりして楽しそう。そこそこ幸せだったんだろうなぁ。

それにしても旦那のお父さんと再婚って、、、と現代人の感覚ではドン引きしてしまうが、現地ガイドの毛さん曰く「ワタシたち漢民族じゃ考えられないネ。やっぱりチョット(少数民族と)価値カンが違いマス。」とのこと。唐を建国した李氏は鮮卑系の少数民族だったんですね。

楊貴妃の最期については悲劇的に語られることも多いが、ここはやっぱりオカルト的に「楊貴妃日本亡命説」を紹介したい。

史実では、安史の乱の混乱の最中、長安から50kmほど西、馬嵬駅付近で高力士によって縊殺された、とするが、日本各地に楊貴妃伝説が存在する事実は見過ごせない。

埼玉、和歌山、京都、山口、熊本と全国各地。有名どころは山口県長門市油谷町二尊院さん。楊貴妃伝説を完全にビジネス化しておられます。でもまぁ、その根拠となってる古文書が1766年成立なので、うん、、まぁ、、若干アレですけどね。ネチネチそのあたり突っ込むと地元民に怒られそうなのでこれ以上は控えて、と。

長門市HPが丁寧にイラスト付きで説明してくれてて、わかりやすい。興味深いので是非飛んでみてください。楊貴妃伝説 - 長門市ホームページ

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長門市HP読んでくれた読者様向けに追記)向津具半島西に存在したらしい唐渡口は見つけられず。清凉寺側に天請寺(二尊院)と仏像を分け合った云々の記録なし。現在二尊院に伝わる阿弥陀如来像、釈迦如来像は鎌倉時代に作られたもの。二尊院は地図中「楊貴妃の里」に隣接。

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話が際限なく逸れたので戻して。海棠の形をした楊貴妃専用の湯船。建物はごてごて極彩色で復元するくせに、ここだけはそのまんまかいなと拍子抜け。玉とかで彩られてた当時の様子は己の足りない想像力で補ふべし、何から何まで甘えるな、ということか。おそれ炒り豆。

 

4.この辺、記憶ほぼない

夕飯後、ショーを見る。則天武后のショーらしいが、中国語よくわからず。中国雑技団みたいな躍りが延々続く。展開早くて見飽きない。

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生演奏パートもあって、胡弓なのかな、二胡なのかな、引いてる人おられました。美しい音色。でもとにかく疲れて疲れて、もう眠い。21時頃ホテル着。ホテル周辺を散策しようとのお誘いもあったのだが、K女史も私も即爆睡。疲れてた。

 

 

2日目完。

書くだけなのに疲れた。弱音吐くぐらいならもう書くな!とか言われそうだが、書かなきゃ消されるので書くしかない。かなり大雑把に書いた記事なので、後日ちょこちょこ加筆修正します。おい!変わってるやんけ!と驚かないで下さいね。

それではまた次回。次回は大雁塔と回民街の様子をお届けできたらなと思います。