徒然なるままに 日くらしパソコンに向ひて 心にうつりゆくよしなし事を そこはかとなく書きつくるブログです(大嘘)

怪しさのその果てに

ーーどうせ何もないやろ と思ってしまう皆様こんばんは。最近朝晩の気温差が激しいですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私はというと、大学の試験がやっと終わり、毎日ぼんやりしながら過ごしています。無事進級が叶えば春から2年生ですか…。はやいっすわ。時の流れ、マジぱねぇっす。

 

そういえば先日、街角で怪しい宗教団体に勧誘されました。声をかけてきたのは男女二人組の一見すると普通の人たち。男性の方はエハラマサヒロ似で何となく若そう。30代ぐらいかな。女性の方は派手めの顔立ちのよくいるマダム。

京都駅周辺の某大型公園でポケモンgoしてたら「あのー、すみません。どこか痛いとことかありません?肩とか腰とか」と、急に声をかけられた。

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こういう"明らかにヤバそうな魑魅魍魎の類いとは決して口を聞いてはいけない"というルールが陰陽師にもあるらしいが、この日の私は伝説のポケモンを捕まえて少々、気が大きくなっていたのだろうか。「特にないですね」と返答してしまう。

すると「あっ、そうですか…。 じゃあ、ちょっと肩をグルグル回してもらってもいいですか?強いていうなら、左右どっちの肩が痛みます?

なんて言い出した。

しつこいなー、面倒くさいなーと思いながら「え、何でですか?」と聞くと、

あのー、僕、痛みを取り除く施術やってまして。あっ、はい。いやいや、僕、絶対触らないんで、そこは安心してください。僕、人の体に触らないで、その痛みを取り除くことが出来るんですよ

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と爽やかに淀みなくおっしゃる。へー、新手の催眠術か何かかな?と思った私は、よーし掛かってみようと「右が痛い」と言ってみた。

右ですねー」とかいいながら男性は私の右側へ移動し、右肩を彼の両手で挟んで何かパワーを送ってくる。あれれ、これおかしいぞ。催眠術ちゃうやん、とようやくここで私は気づき、「これって気功か何かですか?」と聞いてみた。

いやっ、気功じゃないですねー。よし、どうです?だいぶ楽になったでしょう?

と、やはり爽やかに宣う。上手い具合に質問をはぐらかされたのでムッとなりながら、恐る恐る肩を回してみる。変わらねぇ……。何っっにも変わってねぇよ、、おい。

 

その旨を伝えると不服そうな男性。すると「私もやってみたい!」と横にいたマダムが勝手に私の左肩に両手をかざしだす。当方の合意なしの行為である。ワロタ。f:id:milk-doughnut:20190210143310j:image

 

怪しすぎて徐々に笑いが込み上げてくる。

ついに堪えきれず、吹き出しながら「いや、これ何の実験ですか(笑)」と聞いてみる。「実験(笑)?」とマダム。まだニヤニヤしながら「催眠か何かですよね(笑)?」と聞くと、マダムが控めに首を横に振りながら薄い通信新聞を見せてくれた。

その右下に@▲宗☆◇会とあって愕然。えー、これ絶対新興宗教やん…。マジか~と身の危険を感じつつも、

ほーー、この私を怪しい宗教に勧誘するなんて無礼千万……!フフフ 相当自信がお有りのようだなぁ!(怒) だが相手が悪かった!その怪しさ暴いてやろうじゃないか!フハハハハハ!

とどっちが悪役かわからない思惑の末、その通信を半ば強引に入手。さぁ、その実物がこちらである。

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ーー不安のない毎日を送りたい!あなたへ…

と、表紙からなかなかの怪しさ。

一通り読んでみると、私が両肩に受けた謎のパワーは「生命」と呼ばれるものらしい。このパワーは人間誰しもにあるもので、パワーを使える人=「仏」とするらしい。HPでは、ここで天台宗の「一切衆生悉有仏性」の教えを引用しているから尚更罪深い。

教団経営はどうなってんだろう、信者に壺とか買わせんのかなぁ、と思って調べてみると、「生命」はタダでは使えないらしい。なんでも、「生命」を使えるようにしてもらう「記別授与の儀」なる儀式があるらしく、これに金を払わないといけない。ネット情報なので真偽は不明だが入信料+授与料で100万円近くぼったくられるらしい。いよいよヤバい団体に勧誘された。

一つだけ、通信を読みながら爆笑してしまったところがある。ここまで読み進めてこられた読者様ならわかるかもしれないから、画像を見ながら一瞬考えてほしい。

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気づかれました?ヤバくないすか?(笑)

いや、結構ヤバいっすよねww

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え~!「生命」って本山末寺内でしか使えねぇじゃん!!

「おかしいだろ!私、京都駅近くの公園で両肩に受けたぞ『生命』!」なんてクレームつけても、どうせ取り合ってくれないのでしょうね。「あなたを勧誘した彼らは、教団幹部だから場所なんて云々」とか言われるんでしょうね。不毛ですね。

科学的根拠がないと著しく信憑性が低下してしまう21世紀において、こんなに純粋にMr.マリックよろしく、ハンドパワーを信じてる方々がおられるんですね。プラシーボ効果っていうのがありますから、本人が効果を体感してるならそれでいいんですけどね。いいんですけど、勧誘する相手はちゃんと選びましょうね。

老ヒヲ感ズル初詣

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いつの間にか年が明けて2019年になってました。明けおめことよろです🎉お正月といえばお年玉!皆様はお年玉貰いましたか?私は不当にも、お年玉を貰えませんでした。大学生になったからですって。そんなの酷いですよね。これだから大人は……

そんな暗い気持ちを吹き飛ばすためにも、今年の初詣は伊勢神宮へ行きました!なんだかご利益がありそうでしょう?

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晦日から元旦にかけて終夜運転してくれる近鉄さん。いつも奈良方面でお世話になってます。2019年も宜しくお願いします。深夜3時前京都駅発の特急に乗っていざ伊勢へ

外宮最寄り駅である伊勢市駅には5時前到着

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近鉄線とJR線が乗り入れる立派な駅舎。ただ、御手洗いが少ないため、女子トイレがとても混雑。

駅舎を出ると目の前に外宮参道。整備されていて、歩きやすい。道幅広くてよい。そういえば、駅舎の広場にある木製鳥居は2013年の式年遷宮の時に設置されたものらしい。勝手に外宮の一の鳥居かと思ってました。

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雰囲気ある鳥居。5、6年前に設置された新しい鳥居という感じはあまりしない。

元旦早朝の伊勢市内の気温は0℃。厚着して行ったのに寒い。境内に入ると凍える参拝者に外宮さんから嬉しいお心遣いが。

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懐かしのキャンプファイヤー(違)

遠赤外線で内臓までじっくり火が通る。暖かい。元気になったので、みんなで手を繋いでマイムマイムでも踊りたかった。

一の鳥居、ニの鳥居をくぐりながら、てくてく歩いて外宮の心臓部、豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)を祀る御正宮へ。その道中に流星を目撃!しぶんぎ座流星群のものかもしれない。なんとなくめでたい。

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基本的に、境内という神聖な場所でバシャバシャ写真なんて撮るものではないが、私はこういう性分なので致し方あるまい。そうは言っても、このように御正宮を撮るのは本格的にバチが当たりそう……。いや、豊受大御神は食事を司る御饌都神(ミケツカミ)!なんとなく温厚そうである!神罰を恐れて何ができる!(ごめんなさいごめんなs…)

お参りを終えたところで同行していた母上が、「あんた文学部なんやから解説ぐらいしーや」「パワースポットなんやろ、この辺とかなんかあるんちゃうん?」なとど突如仰る。雑すぎる無茶振りに震えながらも、どこかで聞いたような聞いていないような話を誇張しながら奏上すると、母上「へーーー。」と興味なさげ。

なんじゃそれ  文学部ハラスメントで訴えようか

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気を取り直して別宮を巡る。まずは風宮(カゼノミヤ)へ。別に農家ではないので、風雨を司るこちらの御祭神にお参りする義理もないように思うが、それを言い出したらキリがないのでこの際、気にしない。

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続いて土宮(ツチノミヤ)へ。何故か東向きに建てられていて妙な感じ。その理由は適当に調べただけだとよく分からなかったので有識の方、教えて下さい。

ネット上で土宮関連のサイトを漁っていると面白いサイトを発見。曰はく、風宮と土宮はよく順序を考えてから参拝する方が良いと。

土宮→風宮だと"地に足つけたまま追い風に乗れる力"を手助けして頂け、風宮→土宮だと"余計なものを風で取っ払った後、地に根を張る力"を助けてもらえるらしい。でも後者って、よくよく考えると全く前進してないんスよね…。私の2019年どうなることやら…。

いや、大丈夫!私、都合の悪いことは信じない!ソースも明記されてなかったので、私のなかでは都市伝説扱いにします (笑)

こちらのサイトです。一応。

伊勢神宮外宮の土宮と風宮の参拝方法】https://gamp.ameblo.jp/kamisama-iyashitai/entry-12135096977.html

さてさて、外宮にある4つの別宮のなかでは最も位の高い多賀宮へ。98段の石段を上って参拝。

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多賀宮では豊受大御神の荒御魂(アラミタマ)が祀られるため、個人的なお願いは、御正宮ではなく、こちらでしましょうというのが一般的なセオリーではあるが、何でそうなるのかよくわからない。なんなら荒御魂の説明もよくわからない。「神々の荒々しい魂だからパワーがある→願い事も叶いやすい」って…。わかるようなわからんような…。

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多賀宮への石段の途中に一つ飛び出た石がある。地蔵石と呼ばれる石でパワースポットとされているらしい。地蔵に見えるから地蔵石という由来らしいが、これ地蔵か………?私は全くそういった類いの霊力を感じられない体質なので、地蔵なのか達磨なのか哺乳瓶🍼なのか茄子🍆なのか、よくわからなかった。

地蔵石の流れで外宮のパワースポット(とされるスポット)をいくつか紹介

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亀石。境内の水路にかかる橋として、数えきれない人間に甲羅を踏まれてきた憐れな亀。

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亀と言われれば亀。言われなければただの岩。一説では高倉山古墳(外宮敷地内にある東海地方最大の円墳,ヤマト王権に関係するとされる)の入り口の岩だとするらしいが、入り口剥がして橋にするっていうのもなんだかなぁ…

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こちらが三ツ石。式年遷宮の折に神官達を清めるお祓いが行われる場所らしい。結界の上から手をかざすと熱を感じるという最強パワースポットらしいが、「無礼者!熱は神の怒りだ!」とする有識者もいて混沌。ただただカオス。

6時前に外宮を辞して内宮へ向かう。バスに乗るつもりだったが、最凶母上の気まぐれから歩いて行くことに。その距離5.5㎞。泣きそうになりながら黙々と歩く。

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御木本道路(ミキモトドウロ,真珠王のミキモトに由来。外宮内宮を最短で結ぶ道路)を40分ぐらい歩くと猿田彦神社がみえる。伊勢参りの前に参拝するのが良いとされているらしいが、時間がなかったのでスルー。

何をそんなに急いでいるかというと、どうしても内宮で御来光を拝したかったためである。この日の日の出時刻は6時59分。早歩きで内宮宇治橋周辺を目指す。

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夜明けが近いおかげ横丁。もう宇治橋は目と鼻の先。間に合うかなぁ……。変な汗かきながら、おかげ横丁を爆走。f:id:milk-doughnut:20190101213214j:image

なんとか日の出前に御来光スポットに到着。

なんということでしょう…。人がゴミのようです…。

なんとか角度を考えながら、場所を探す。

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なんとか場所確保で候。

7時30頃、神路山から昇る御来光を拝す。確かに眩しい。

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御来光見れたので、いざ内宮の境内へ。手水舎を通って五十鈴川へ。

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八咫烏(ヤタガラス)かなと思ったのでパチリ。一瞬3本足に見えたけど、よくよく見たら普通のカラス。f:id:milk-doughnut:20190103143817j:image

五十鈴川で穢れを落としたら御正宮を目指してレッツゴー。

レッツゴーしてすぐに、二の鳥居周辺の警備員が「この後、★§#▲ですから右側に♪@#●して下さい~!」と叫んでいる。

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何がなんやらわからないまま、みんな右に寄って大人しく待つ。

数分後、神官らしき人たちが、ぞろぞろと御正宮方面から行進してこられる。

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儀式をしていたらしいけれど、毎朝しているものなのか、元旦の朝にするものなのかは不明。調べるのも面倒さかったんです。すみません

暫く進むと、御正宮に向かうお馬さんに遭遇。毎月1のつく日は神馬が神様の前に参上するんですよ、と解説されてる警備員のおじ様もいたので、そういうものなのかもしれない。

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「馬が暴れるので下がって下さーい」と言う警備員の案内を真に受けて、ビビりながらカメラを構えるも、さすがお伊勢さんの神馬。優雅で大人しい。俗な参拝客には見向きもせずに粛々と御厩(ミウマヤ)に帰っていった。

やっとこさ、御正宮。いや人多いなぁ!

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天照大御神を祀る御正宮。8時過ぎなのに結構賑わってる。結局参拝するまで15分ぐらい並び、体の芯の芯まで冷えきる。じっとしてるとダメですね。すぐに冷えちゃう。

その後、別宮巡りもほどほどにしてとっとと帰る。段々混んでくるので急いで帰る。おかげ横丁で名物の伊勢うどんを食べる。讃岐うどん派の私は、柔らかい伊勢うどんがあまり好きではなかったのだが、老化のせいだろうか、あれぐらい太くて柔らかいほうが歯に優しくていい。
近鉄五十鈴川駅までの1.4㎞を意識朦朧となりながら歩き、鵜方駅を目指す。

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伊勢志摩ライナーに乗車。

鳥羽駅付近からは伊勢湾が見える。
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サロンカーなる少し上等の席に乗せてもらえたので快適快適(料金は普通車両と同額らしい)。伊勢うどんを食べてお腹いっぱい、眠気もピークだったのでしっかり寝てしまいました。

鵜方駅からバスに乗って伊勢志摩スペイン村へ。こちらでは、ひまわりの湯なる名湯に浸かることができる。老いた身に染みるアルカリ性の若干ぬるめの湯。オーシャンビューの露天風呂が最高です。

疲れてきたのでこの辺で筆を置くとして、皆様にも伊勢神宮のご利益届けられたでしょうか。

皆様、本年も宜しくお願いします。寒いのでご自愛ください。

「十一月病」

皆様お久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか。

よく「今年は暖冬だ」なんて言われてますが京都は例外ですねぇ…。朝方がとにかく寒くて寒くて。早朝にガスヒーター着ければ解決する話なんですが、私は元来喉が弱いので、そうもいかない訳です。ヒーターに負けないぐらいの加湿器買えよ!って?こちとらお金がないんだよ!そんな事言うならあんたが買ってくれ!!なんでもするからさぁ!

 

そんなことより、こんな月末になるまで皆さんを放置してしまってすみません。

え、寂しかったですか?(笑)

あっ、ちょ暴力反対!!殴らないで!ごめんごめん、反省してますから!どうか、「このネグレクト野郎!」なんて罵って通報したりしないで下さい。

言い訳すると、ここ最近「十一月病」に感染してました。五月病ならぬ十一月病です。医学会界隈だと「出来ることなら、なーんにもしたくない病」ともいいますね。これの治療に案外時間かかってしまって、つい皆さまに構うのを後回しにしてしまいました。すみませんでした。以後は精一杯予防につとめますので……。

……いや、ちょっと待てよ?今回の件、私、病気なんだから仕方ない気がしてきたぞ……無罪なんじゃないか?…あれ?そうですよね?そうでしょ?

ね、いいから黙って「Yes sir」と言いなさい

 

 

そして軽く近況報告(雑)。f:id:milk-doughnut:20181127233521j:image

関西の秘境的游乐园「ひらかたパーク

ライトアップがなかなか綺麗。観覧車から。

 

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「ランタン広場」なる謎の祭祀遺跡。リア充カップル用にライトアップ&スピーカーからBGMが流れる仕様。

我々が調査した際、中央の壇上(以前は祭壇として使用されていた痕跡あり)に設置された大型スピーカーを地元パリピキッズ等が占領して、奇声をあげるなど、何やら怪しい儀式を行っていたが人が多くて取材できなかった。遠目から中央のリーダー格の少年の姿勢・服装が下図の古代ケルト人と酷似していたので、もしかすれば、太陽神タラニスへの生け贄を、広場内の野次馬通行人カップル達から選別していたのかもしれない。

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ひらパーさんに怒られそうな冗談はこの辺にして。

 

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ひらパーへ行ったのは他でもなく、十一月病治療のため。

根深い「ぼんやりとした不安」を吹っ飛ばすには絶叫系アトラクションが1番。ひらパーには関西唯一のフリーフォールマシンがある。地上50mからの眺めは、まさに後悔もの。人間の愚かさ、業の深さをもう少しで会得できそうな瞬間、背後で「プツッ」という音を聴く。それが最後の記憶。

後は落下中の浮遊感によって失われた内臓類、上下顎等を地上で探しつつ、生還できたことを喜ぶ。生還後数分間は「私は神に選ばれ、守られた」というゴリゴリの選民思想に染まるのでちょっと注意。

落ち着いてくる頃には、十一月病は完治してました。めでたしめでたし。結構荒療治ですが、確実に効果がありますので是非同じ症状に苦しんでおられる方に試して頂きたい。

何かがおかしい正倉院展

本日は月曜日。

また一週間が始まってしまいました。この週末、超過密スケジュールすぎて、予習課題に全く手をつけていません。ワロタ。泣きそう。

いやいや、過密スケジュールって、お前、週末に遊んでくれる友達おらんやろ!!!どうせ一人で好き好んで予定組んだくせに、何甘えたこと言うてんねん。リア充でもないくせに、忙しいアピールするな!ボケ!

ぐぅの音も出ねぇっす。慎んでお詫び申し上げます。すみませんでした。土下座するので週末遊んでください。

実際のところ、この週末何してたかというと、東京遠征の疲れも癒えぬ間に、奈良遠征してました。モチのロンで、正倉院展目当てです。

 

なんか正倉院展めちゃくちゃ混んでるらしいという噂を聞きつけて、昼過ぎに京都駅を出発。

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近鉄特急奈良行き。直通運転なので30分程度で着いてしまう。別に急いでる訳ではなかったが、快適なので利用。ふはははは、これがブルジョワ階級の嗜みですよ。

13時頃奈良駅着。混んでそうな興福寺東大寺方面を避けるように北東へ進む。これといった目的もなく、ふらふら奈良観光。


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駅前の商店街を抜けると奈良女子大学さんが、ふらりと現れる。立地良すぎて普通に羨ましい。

「そこそこの偏差値を誇る国公立大学でありながら、全国的知名度の低さは絶望的である」という点において、我らが京都府立大学とも共通しており、勝手に激しいシンパシーを感じてしまいました。奈良女子大学さん、すみません。

 

学祭の最中だったようなので、恐る恐る正門をくぐる。f:id:milk-doughnut:20181105161150j:image

落ち着いた校風。洋館みたいな校舎もあって、なんかオシャレ。女子大らしく、清楚系美女の大洪水だったので、恐れおののいて後退り。

奈良女子大学さんを後にして、まだまだ北へ進む。Googleマップさんに御神託を仰ぐと、「近くに聖武天皇陵あり」とのお答え。これは行くしかない。

 


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聖武天皇陵。参道には砂利がふかふかに敷き詰められ、両脇に植えられた松の木の手入れも行き届いている。小さな蓮池が途中にあったが、藻が大量発生していて、濁っているように見えてしまうのが少し残念。


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少し東側には聖武天皇皇后、光明皇后の陵墓がある。どこまでも仲いいな、この二人は。羨ましいぞ、コノヤロー!末永く爆発しろ!(不敬罪

そこから10分ぐらい東へ東へ、閑静な住宅街を抜けると多聞山城址を発見する。多聞山城もマイナーならば、築城した松永久秀も一般的にはマイナーである。

戦国一の破天荒男として、コアなファンを獲得してきた松永さんであるが、最近では某BASARA系ゲームで凶悪キャラとしての地位を確立しつつあるとかいないとか。


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多聞山城址石碑。松永さんは、ここに当時としては最先端の、トレンドを捉えたお城を建てたそうです。

なんでこんなに遠い位置から撮影してるのかといえば、なんとこの石碑が立つ場所、若草中学校の学校用地内である。門は開かれていたけれど、奈良県民でもないので、ビビってやめました。


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お城を建てるような高台なので、振り返ってみると若草山やら東大寺やら、興福寺まではっきり見渡せる。僧兵たちにはプレッシャーだったろうな、と思わず笑ってしまう。

急な坂道を下りながら再度、Google先生にお伺いを立てると、「近くに北山十八間戸あり」とのご返答。日本史選択勢には垂涎もののパワーワードである。勿論私にも効果てきめん。行かねば、と義務感に駆られる。

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ところが流石ドSで有名なGoogle先生。ただでさえ旅先で不安なのに、それをさらに煽るような、人通りの少ない道ばかりご指定なさる。

 

しばらく北東へ歩くと北山十八間戸発見。

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数えてみると確かに十八間ある。


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民家に紛れるように案内板が立つ。

北山十八間戸の敷地内入り口が、どこをどう探しても見つからなかったので、多分、見学はやってないっぽい。

まだ14:30とかなので、もう一個ぐらい行けるかな、ということで道中、沢山案内標識が立っていた般若寺へ行くことにする。般若寺は北山十八間戸から真北へ徒歩5分ぐらい。


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般若寺楼門が見え始めると、突如、奈良公園内の鹿たちと同じにおいが漂い出す。えっ、こんなとこまで鹿来るの!?と思っていると、般若寺のお向かいに牧場がありました。

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羊とか、ヤギもいたかな。牛舎へは一般人は立ち入りできない。

どうやらこの牧場、障害をもった方々へも門戸を開放しているようで、熱心に藁を運んでいる青年の姿が印象的だった。

牧場のソフトクリームは間違いなく美味しいので、食べようかとも思ったのだが、その日は寒かったので食べていない。地元ファミリーであろうか、二人のキッズが口元をベタベタにしながら、交互に「アイスおいじぃ~~」と叫び、ご両親が「はいはい」と相槌を打ちながら、その口元を拭ってやる、という尊すぎる光景を目にした。あれは聖家族かな、と思ったので拝んでおきました。

いざ、般若寺へ拝観。

拝観料として500円徴収されたので、何かしらイベントでもしてるのかしらと不思議に思っていると、なんと般若寺はコスモスの名所だったらしい。そして只今、満開。なるほどなぁと納得しながら境内を散策。

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本堂ではご本尊秘仏文殊菩薩像が、たまたま御開帳されていたので、棚ぼた的にご本尊を拝す。そんなに大きくはないながらも、威厳のある佇まい。

般若寺を出ると、そろそろ奈良国立博物館へ行こうかなという気になる。

いつの間にか、だいぶ高台の方へ登っていたみたいで、南へぐんぐん下る。途中の案内板に、「奈良公園ここから1.9km」とあり、愕然とする。そんなに駅から離れていたのか。でもまぁ下りなので全くきつくない。東大寺転害門の前を通って奈良国立博物館へ。


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16:00頃に到着したが、それでもまだ混雑しているようで、入場まで20分待ちのプレートあり。ま、実際のところは10分もかからず館内に入れましたけどね。

正倉院展会場内、フェルメール展を彷彿とさせるような賑わいかた。人、人、人、人の波。人の波にのまれながら鑑賞。いつものことながら、タイマイ螺鈿も宜しいが、とりあえず人が多い。なんで今年こんなに人多いの!?とただただ困惑。

2.5時間ほどかかって、ようやく人混みから解放される。しばらく放心状態。

疲れすぎてミュージアムショップもそこそこにして、とっとと帰る。近鉄奈良駅まで興福寺を抜けていくと、中金堂が落慶していた。あぁ、これでか、と納得。

 

HP見てると、日曜午前中は90分待ちとかもあるようなので、やっぱり週末は18時以降が狙い目なのかなぁと思います。平日はようわからん。若い人たちよりも、お年寄りが多い印象だったので平日も普通に混んでるんじゃないかなと思います。来年はもっとスムーズに見れるといいんですけどね。

 

 

奈良国立博物館第70回正倉院展HP(混雑状況などもこちらから見れます。)

第70回正倉院展|奈良国立博物館

東京篇

どうもどうも毎度お騒がせします、ハロウィーンもいつの間にか終わってしまって、11月になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

最近本当に寒いですね。もうヒートテックにニット一枚じゃ、凍えてしまうので、ついにコートを出しました。快適~~~!!コート大好き。

さてさて、本日の記事は前回に引き続いて、お出かけ放浪記です。冗長になる可能性が極めて高いやつですね。今回なにも考えずに、普通に書いたら一万字越えるんじゃないかな……と帰宅しながら、ぼんやり思いました。一万字越えてしまうと、読者の皆様の苦痛になるのでそれだけは避けたいのですが、どうなることやら。

いつもなら、ここからぐだぐた脇道に逸れていくのですが、今回はいつもの与太話に、字数を割けるほどの余裕はございませんので、早めに本題。

先日、11月2日は、久しぶりの東京遠征。学割効いたとはいえ、往復で二万円越え。ひぇーー。東京はなんて遠いんだ。奈良往復2000円とは訳が違う。こんな切腹に近いような費用を、わざわざ自腹切って捻出したのには理由がある。今、上野がイケてる!

現在の上野には特別展の嵐が吹き荒れている。あの狭い上野公園内の、あそこでも、ここでも、向こうでも特別展。まさに「芸術の秋」を騙った「儲け時の秋」である。アリさんホイホイ並みに人が上野に集まってくる。私も勿論そのうちの1人。果てしなく混んでましたよ、上野。

 

まずは早朝から。於京都駅新幹線乗り場。


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お金ないので自由席。朝7時代なので車内結構混雑。どこに座ろうかと迷っていると、OLさん風美人お姉様の隣に、恐れ多くも座席を賜る。お姉様から漂う、くらくら目眩がする甘い香りに意識を失い、気づくと名古屋を通過。

はっ!ヤバい大変だ!もう名古屋過ぎてる!富士山の写真は絶対撮りたい。ここからは常に窓側をチェックしておこう、と窓のほうをガン見していると、お姉様、不審に思われたのか、カーテンを左手ノールックで下げてしまわれる。ァァァァァーー!!! 小さく心のなかで叫ぶがもう遅い。

お姉様に不敬を働いた私が悪いのだ。ここは一旦諦めて、撮影スポットが近くなってきたらデッキへ行こう。そう決めたら気が楽になって、お腹がすいていることに気づく。そういえば、朝ごはん食べてなかったなぁ。

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旅を楽しむ余裕が出てきたので、お菓子を開封。お菓子というより、おつまみか。今日もコカ・コーラゼロが美味しい。

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お菓子をつまみながら、今回の予習をしようと雑誌をパラパラ。毎回思うけれど、付録いらないから安くして欲しい。写真一番上のフェルメール表紙の雑誌なんて1,500円だったかなぁ。結構なお値段。付録ポーチとかいらないから、安くしてくれぇぇ…

でも内容・解説は、なかなかに面白くて、つい没頭してしまう。特に「ぴあ雑誌」は絵画の解説が至極丁寧。めっちゃおもろい。

とか言って、ふと気づけば、現在地は静岡県熱海市

やーーーばーーいーーー!!!

脱兎のごとくデッキに向かって走る。富士山が逃げてしまうぞ!急げ急げ!デッキの小さな窓に額をぶつけながら、一心不乱に富士山を探す。
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新幹線は速すぎる。上の写真みたいな、富士はおろか、現在地すらよくわからない景色が数秒続いたらすぐに、またトンネルに入って、違う場所にワープしてしまう。わけわからん!わしにはやく富士を見せたまえ!!!

すると急に開けた平地にワープ。デッキにへばりついていると、左のほうに富士山!



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おお……。雲海が分厚い……。尊い

雪積もってるやん…。………尊い

 

まぁでも、欲を言えば、北斎

 

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葛飾北斎『富岳三十六景  凱風快晴』

ぐらい至近距離で撮りかったけれどしょうがない。しょうがないけど、撮影スポットが近づいてきたら、車内アナウンスで教えてくれたっていいじゃないか。座席にとぼとぼ帰って、写真フォルダからベストショットを探す。

そしたら、いつの間にか品川。


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うわ~~、、、と東京の線路の多さに若干引く。そもそも、何で山手線と京浜東北線は似たようなルートを、わざわざほぼ同時刻発車してぐるぐる回ってるんですか。抜きつ抜かれつの時に、ドア付近の人同士で目が合って、ちょっと気まずいと思うのですが。

あっという間に東京駅。ラッシュ時過ぎてるので、人は言うほど多くない。人混みをすいすい掻き分けて、山手線で上野へ向かう。


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伝説通り、東京民はエスカレーター左でした。

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こういう、座席とくっついている二本のポール(?)手すり(?)は一体何に使うんだろう…。物凄く座るときに邪魔だった。やはり東京民の文化は甚だ謎である。

上野まではたった数駅。さぁどんどん行こう。


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上野駅をパンダ橋口から出ると、すぐに公園内に入れる。


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春にはお花見客で賑わう桜並木を駆け抜け、小松宮彰仁(コマツノミヤ アキヒト)親王像を左目で流しつつ、少し歩くと東京都美術館に着く。現在東京都美術館ではムンク展の真っ最中。大盛況のムンク展、当日券売り場も5分ほど並ぶ。


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音声ガイド借りようかと思っていたが、沢山の人が並んでいたので、あえなく断念。

ムンク展会場内、びっくりするぐらいの人混み。今回の目玉でもある「叫び」周辺は特に混雑。係員の「前列のお客様は立ち止まらずに、少しずつ前にお進み下さい」という声が虚しく響き渡る。

出展作品すべてが、ムンクの作品ということで、出展作品は大きく9つのテーマにわけられていた。第一室でムンクの姿に迫り、第四室では「叫び」を中心に、画家の不安と絶望を味わう。第五室、六室はムンクの女性への不信感が強く表れているような作品が多くて、ちょっと苦笑い。


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エドヴァルド・ムンク「吸血鬼」

多分、第五室に展示されてた。女性をわざわざ赤髪(欧州では「罪」の象徴として嫌われる)で描いているところも、何とも言えず、ただただ苦笑い。過去に何か女性関係でトラウマになるようなことがあったのだろうか。

 

<ちなみに>

こういう場所(ブログとかネット上)で、雑誌やら図録やらに既出の解説を、あたかも自分の言葉のように、ドヤ顔で読者に向けて講釈する方々も勿論いらっしゃるが、私個人はあまりそういう人たちを好きませんので、ここで作品解説をするつもりは更々ございませぬ。ございませぬが、自分が感じたこと、考えたことは、つらつら垂れ流し的に書きたいので、当ブログの絵画解釈は間違いだらけです。八割方間違いですので、そこだけよろしくお願いしますね。(いつも迷惑ばかりおかけしてすみません。毎回ぶつぶつ文句言いながらも読んでくれる読者の皆様大好きです!)

ムンク最晩年は明るい絵も増えていて、一安心。そのままミュージアムショップへ。とりあえず図録を買って、うろうろ。なんとガチャガチャがある。ポケモンとコラボ商品らしい。


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ポケモンはあまり詳しくないので、やっぱりピカチュウが欲しい。右上の、ピカチュウのお化けみたいなやつ、怖いから、あれだけはやめてくれ、と念じながら400円投入。今思えば、そこそこのお値段だなぁ。


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なんとピカチュウ!!!ワロタ。ドヤ顔で撤退。普通に嬉しい。

東京都美術館を出たら、そのまま、お向かいの上野動物園へ。シャンシャンを見ずには帰れない。動物園入り口を入ってすぐにパンダ舎がある。おかしい……。金曜の午前中にも関わらず人が群れをなして大行列を形成している。

最後尾を探して行列にそって移動すると、最終的に死刑宣告を食らう。
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ワロタ。

USJのアトラクションか、シャンシャンは。

えぇ~~、悩む。ただでさえ時間ないのに、90分並ぶのは危なすぎる。でもシャンシャンにご挨拶せねば京都に帰れない…。

悩む私に一筋の光が。


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そう。シャンシャンは一匹ではなかった。行列に程近い、ショップへ足を運べば無数のシャンシャンに会える。かわいいことこの上なし。精一杯愛でて次へ。

お次は、上野動物園東京都美術館のちょうど真ん中に位置する東京国立博物館。只今、平成館で特別展「京都大報恩寺  快慶・定慶のみほとけ」が開催されている。京都民は大報恩寺という正式名称よりも、千本釈迦堂の名称の方で馴染み深い。

人はそんなに多くない印象。ゆっくりと展示品を鑑賞できる。

快慶作の十大弟子立像を、東博お家芸である完璧なライティングの元、至近距離で拝する。アーナンダは基本的には美男子で表現されるが、快慶作のアーナンダは、なんか変。これ、イケメンか?と首を傾げたくなる出来映え。f:id:milk-doughnut:20181104222655j:image

あばれる君にしか見えない私は信仰心が足りないのだろうか。

 

逆に十大弟子一番のイケメンはこちら。

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東博さんの気のきいた、いたずらにより、折り目が写り込んでしまっているが、彼の美しさはその程度では霞みもしない。なんと言っても、意思の強そうな瞳に惹かれる。彼が盲人であることを忘れてしまいそうな、この鋭い目力にやられてしまった。もうメロメロである。

 

大報恩寺本堂秘仏、釈迦如来坐像も鑑賞できる。ガラスケースがないので、本当にノンストレス。

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年に4回(うろ覚えなので自信なし)のみ御開帳の秘仏。光背(コウハイ ,仏像の後ろについてるオーラのようなもの)が光に透けて、会場の絨毯にレースのような繊細な陰を落とす様は、言葉にできないほど美しかった。

 

なんと展示品のうち、聖観音のみ撮影可能。美形の仏さまであった。シャッターが止まらない。
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そのままミュージアムショップへ案内される。またまた図録を買って、店内を物色。

面白グッズ多数のカオス空間でした。


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某漫画とのコラボグッズ。ブッタの言い分に笑ってしまった。


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これについてはワロタ以外の何の言葉も出てこない。


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そんな、常時耳につけてまで徳を積みたい人いるのか、と苦笑いしていたら、品切のシール多数で真顔になる。

そんなことより写真左の「セクシー大根焚きポーチ」が気になって止まないのだが、写真撮ってなくて現在、地団駄を踏んでおります。

図録二冊を背負いながら、少し上野公園を南へ移動して国立西洋美術館へ。恥ずかしながら人生初の訪問。綺麗な建物で世界遺産という感じはあまりない。

 

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国立西洋美術館ではルーベンス展が開催されている。バロックの巨匠として名高いルーベンスであるが、日本での知名度はそんなに高くないように思う。あまり人がいない上に、館内とても広いので、快適快適。蟻地獄の上野に於いて唯一の穴場である。


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ルーベンスはとにかく絵が上手い。素人の私はやっぱり、写真みたいな絵画を見ると、すごい……と感心してしまうし、その反面、モダンアートはよく分からない。ピカソやらダリやらマティスやら、さっきのムンクも、実際のところよく分からない。

暗い色彩と荒々しい筆致、虚構と現実の入り交じったスケッチから画家の想いを汲み取るよりも、キャンバスの上に美しく細かく描かれた登場人物たちのストーリーを想像する方が何倍も楽しい。その点、ルーベンスは本当にわかりやすい絵を描く。多分、紳士的で、親切な性格なんだと思う。

「怖い絵」シリーズで知られる中野京子氏をして「ルーベンスは漫画みたいな絵」と言わしめたが、まさにそんな感じ。漫画のように、登場人物一人一人がややオーバな表情。

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ペーテル・パウロルーベンス

「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘」

 

吹き出しを想定するならこうだろうか。f:id:milk-doughnut:20181105085544j:image

違いますね。

すみません調子のりました。

国立西洋美術館を出たらそのまま南下して、上野の森美術館へ。上野の森美術館へは、噂の「フェルメール展」をお目当てに訪問。


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なんか人が溢れてる…。午前中は混むとの情報があったので、わざわざ平日の15時ごろに訪問したのに、この人の多さ。フェルメールすごい…

入場券は日時指定制らしく、「次回のご案内は16:00からになりますが、それでも宜しいですか?」と目元の笑っていない東京マダムに脅される。はい、と頷くと「お会計2,000円になります」と言われ思考停止。大学生で2,000円か……。相場の二倍ぐらいなので、フェルメール展すごすぎて言葉が出ない。

支払いを終えて、時間まで、どこかぶらぶらしようかと考えていたら、もう16時組の待機列が出来ている。まだ30分前ですよ!??と言いたくなったが、仕方ないので並ぶ。


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私の前には30人ぐらい。

 

16:00目前になると、最終的に、この行列が200mぐらいに成長していた。f:id:milk-doughnut:20181105093632j:image

画像小さいので分かりにくいが、行列は蛇行しながら続く。

いざ館内へ。会場内はもうパニック状態。あれだけの客が16時になったら一斉に押し寄せるのだから、当たり前だが、前後不覚のお祭り騒ぎ。

大泣きする子どもの声と、誰かに足を踏まれたのだろうか、「痛いっ」と叫ぶ老若男女の声。

そして悲劇は重なる。フェルメールの作品が一部屋に集められたフェルメールルームなるものが、クライマックスに登場するのだが、如何せん、フェルメールの作品は小さい。基本的に約40cm四方のキャンバスに絵を描くので、体感A3用紙よりもちょっと大きいかな、ぐらい。

作品が小さいので、ある程度近くに寄って鑑賞したいが、今回のフェルメール展、ロープが張り巡らされてあり、1mぐらい離れたところからしか鑑賞できない。細かいところが見えない。「光の画家」と言われるフェルメールの、「光の粒」の技法を見に来たようなものなのに、全く見えない。悔しい。

みんな考えることは同じで、みんな血眼になって「光の粒」を探す。すると、誰かが立ち止まるので、全く列が流れないようになってしまう。驚くことに、係員の「最前列のお客様は~~」という案内がないので、同じ絵と10分ぐらい、にらめっこするという謎の状況に見舞われてしまった。

人の熱気や、頭に響く騒音に疲れはて、ついイライラしてしまう。油絵なので、照明はもう少し絞ってもらった方が見やすいのになぁとか、係員さんも案内ぐらいすればいいのにとか、嫌なところばかり見えてきて精神的にも、肉体的にも、もう、ぐったり。来年2月中旬以降は、大阪市立美術館で巡回してくれるので、フェルメール展はこっちで見た方が無難ですね。東京展は本当に地獄絵図。

 

上野の森美術館を出ると、もう日が傾いている。東京駅へ向かう。


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西郷隆盛像。大河ドラマ西郷どん」はいよいよ佳境。昨日11月4日の回で、岩倉使節団メリケンへ旅立ちました。もうダメだ。もうすぐ西郷どん死んでしまう。ツッコミどころ多数のドラマでしたが、流石中園ミホ氏、ストーリーはとても面白かったので、終わってしまうのは何だか少し悲しい。

東京駅に着いてからもやることがある。

まずは丸の内南口に移動して原敬暗殺事件の場所を探す。しかし東京駅複雑怪奇。なんとかたどり着く。


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リーマンおじ様が、まさに踏まんとする所が原敬首相が刺殺された地点らしい。

結構わかりにくい場所にある。

続いて、浜口雄幸銃撃現場へ向かう。

こちらは実際の事件現場である、東京駅ホーム(現10番線ホーム8号車乗り場付近)に目印はなく、そのちょうど真下にあたる、新幹線中央乗り換え口付近に案内プレートが存在する。


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人通りが特に多い場所なので、立ち止まって写真を撮っていると白い目で見られる。

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事件当時の写真のようなものも見つけたので掲載。真ん中の白髭の紳士が浜口首相。

そろそろ帰らねばならぬので、そのまま新幹線中央乗り換え口から新幹線乗り場へ。


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東京の夕焼けは綺麗なグラデーション模様。淡い紫がとてもきれい。

20時前に無事、京都駅着。

図録四冊背負っての帰路は思っていたよりも辛くない。翌日背中バキバキでしたけどね。

 

全体的に駆け足でしたが、上野を満喫。字数の関係でカットしたものも多いが、上野は何度行っても新しい発見が必ずあって、しみじみ、いい場所だと思う。

これからの年末年始、さらに人が集まってくるであろう上野。東京民にお伝えしたいのは、ルーベンス展が物凄くいい、ということ。讃美歌の聞こえる会場内で、宗教画や神話を主題にした美しい絵画の数々を堪能して欲しい。それと、何度も念を押すようだが、フェルメール展は覚悟してから行くようにお願いしたい。



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いい経験になりました。

次回の記事こそは、簡潔に(多分無理)。

なんやかんや詰め込んだ

恐ろしいことに、もうすぐ10月が終わろうとしている。はやいなぁ……

言ってる間にもう冬です。

10月11月は、私ら、エセ歴史オタクにとっては多忙の時期である。秋季特別公開やら特別展やらで資金はもとより、体力も底をつく。特に去年のこの時期は、京博で国宝展なる祭が開催されていたので色々キツかった。受験勉強をおざなりにして、2週間ごとに入場料千円の出費は高校生にはキツいんですよ、本当に。私の一ヶ月のおこづかいは五千円でしたしね。子供を甘やかさない善良な家庭でしょ。

そんな話はどうでもよくて。

今日は京都府京都市堀川寺ノ内にある茶道資料館に行ってきたので備忘もかねてちょっと書きます。

おいおい。そういう話はTwitterでしろよ!!毎回毎回どーでもいい報告ツイートしやがって。ていうか、お前のツイート、エセ歴史オタク感丸出しでつまんねーわ!もっと日常の些細なこと呟けよエセオタクが!

と憤慨される読者さまもいらっしゃると思いますので、言い訳します。というか、させてください。

私だって日常のこと呟きたいよ、!華のキャンパスライフお届けしたいよ!!でもお届けできないもんはしょうがないだろ!!私だって「今日は彼氏とデート💑🍴🍸」とかやりたいよ!!!こっちだって、好きで「本日は○○博物館▲■展へ。………」とかやってるわけじゃないから!!!!という訳で、頼むから彼氏降ってこい!頼むから!神様!

皆様、ご理解頂けましたでしょうか。ふぅ、スッキリした…。

話を戻して、茶道資料館では現在、平成30年秋季特別展として「酒飯論絵巻」が展示されてます。日本史教科書・資料集には載ってないので、一般的にはマイナーな絵巻ですが、抜群に面白いです。なんというか主題がくだらない(怒られるかな)。読んで字のごとく「酒と飯とどっちが上か」というよくわからんことを、三人のええ年した大人が論争するという話。しかも、その三人の登場人物の名前がこれまたふざけてる。



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「酒飯論絵巻」文化庁本より第一段

右上の青い着物のダンディーなイケメン男性が、造酒正糟屋朝臣長持(ミキノカミ カスヤノ アソン ナガモチ)。………長い。センター試験とかで、自分の名前マークするのに3分ぐらいかかりそう。というか、まず枠に入りきらないか。このイケメン、結構名前でネタバレしてるけれど大の酒好き。画像では分かりにくいが、着物は笹文様(女房ことばで笹は酒のこと。女房ことばは現在でも多く残る。例えば、鰹をおかかとか。水をおひやとか)。

左の坊主は、飯室律師好飯(イイムロ リッシ コウハン)。好飯と言うだけあって大のご飯好き。お酒は飲めない。

真ん中の彼は、中左衛門大夫中原仲成(チュウザエモンノ タイフ ナカハラノ ナカナリ)。……長い。彼は中庸派。酒も飯も適量が一番というタイプ。

この三人の論争を二段、三段、四段、と追っていく絵巻が今回の「酒飯論絵巻」。ね、くだらないでしょ。大好きです。

驚いたのは、茶道資料館の展示が、単なる「ストーリーを楽しみましょう」ていう感じではなかったこと。この絵巻、近世を通して人気があったようで写本が何本か現存している。その一つが先程の文化庁本。他にも狩野派系統の酒飯論絵巻は十本現存している(内四本は海外へ流出してしまったが)。今回の特別展では三時知恩寺本(サンジチオンジ、上京区上立売同志社大西)、茶道資料館が所有する茶道資料館本、群馬県立歴史博物館本の三本が集結し、各本ごと差違を楽しむことができる。


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上から順に、文化庁本、三時知恩寺本、茶道資料館本、群馬県立歴史博物館本。酒好きダンディーイケメンこと長持さんの比較。いづれも「酒飯論絵巻」第二段。

急にオッサンが立て続けに画面を占領して恐れおののいた読者様もおられるかと思うが、覚悟を決め、頑張ってもう一度見てきてほしい。酒好き派の長持の顔が、ちょっとずつ(いやだいぶ)、それぞれで異なるのがわかると思う。これらは写すときに改変が加えられた(もしくは適当に写した)から生じた差異のようだ。結構大雑把な絵師だったのか二枚目はもはや別人である。

こういった絵巻各本の違いを見せる展示は初めてでなかなか面白かった。是非ーーと煽っておきながら申し訳ないが開期が残り少ない。厳密にいうと、前期があと数日で終わってしまう。おぼろげな記憶だと11月4日までだったかなぁ…。後期は12月頭までやってるみたい。もちろん後期も行きます。

詳しくは茶道資料館HP−裏千家ホームページ 茶道資料館

 

展示に大いに満足して、その後てくてく歩いていると、資料館のすぐ横にお寺を発見。

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一応、平安貴族っぽく、垣間見してみたが何も見えず。単純に不審者と思われたか。

ちょっとまわると入り口があって中へ。


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門跡寺院らしく、屋根には十六紋菊が咲き乱れる。慈受院の由来が書かれる看板の最後には「慈受院には今も皇室ゆかりの調度品などが数多く残る」とある。自称トレジャーハンターの血が騒ぐ。あまり更新されてないようだが、一応。慈受院HP慈受院 薄雲御所

拝観謝絶ということで少々がっかりしながら、またてくてくと南へ下る。すると、すぐにまた別の寺院建築がちらりと見える。寺ノ内すげーーと内心叫ぶ。


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臨済宗宝鏡寺。こちらも門跡寺院。門より入ると右手に人形供養塔らしきものあり。「人形よ  誰がつくりしか  誰に愛されしか」から始まる碑文が刻まれる。個人的に人形供養関係は、粟嶋堂宗徳寺(下京区)でトラウマになったためか、少し背筋がヒヤッとする。今回も例外ではなかったので念仏を唱えながら早めに退散。

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(↑粟嶋堂宗徳寺)

そのまま宝鏡寺の塀に沿って東へてくてく。立ち入り禁止ゾーンなので詳しいことはわからないけれど、境内は相当広い模様。建築物も立派。

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画面左奥の門が先程入った門。撮影場所がちょうど塀が90°に曲がる地点、つまり宝鏡寺の東端。相当の敷地面積を誇ることがわかる。宝鏡寺HP百々御所宝鏡寺-人形寺-

感心していると、どうやらまた次のお寺に着いてしまったらしい。


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妙○寺とか光○寺は日蓮宗が多いという方程式をがっちり適用できる妙顕寺も、ばっちり日蓮宗寺院である。数多の塔中(タッチュウ,別院のこと)をもつ巨大寺院でした。

松の木が物凄くきれいに手入れされ、しかも正面の大本堂の屋根が高くておぉ……となる。境内に尾形光琳の墓があるらしいので探してみるが、これが全く見つからない。途方にくれる。


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仕方ないので諦めて境内を散策。立派な渡し橋(こういう、堂と堂をつなぐ橋の正式名称わからないので誰か教えてください)。木を組んでどうやって作るんだろうと思って下から見上げると、思いっきり釘かネジかが使用されてました。そりゃそうか。

その後もうろうろ……。すると、知らないマダムが「光琳のお墓やったらあっちやで。右曲がってすぐ」と教えてくれる。何でわかったんだろう……。彼女はエスパーか何かだろうか。


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ようやく見つけた光琳のお墓。でも実際には顕彰碑。以前はここに墓があったらしい。2015年に光琳没後300年を記念して顕現碑にチェンジ。(チッ、余計なことを。…怒られますね。そんなこと思ってませんよ~~)

妙顕寺HP日蓮宗 大本山 - 日蓮宗 大本山 妙顯寺 公式サイト

気付けば17時まわってるので、とっとと帰らねば。しかし急いでるときに限って、面白いものを見つけてしまう。


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妙顕寺塀沿いに吊るされた看板らしきもの。内容は「日蓮が亡くなった旧暦10月13日に十月桜が咲いたという言い伝えがあり、そのことから日蓮宗界隈では、十月桜をお会式桜と呼ぶ。妙蓮寺のものが有名」と。ふと見上げてみると真上に桜の木。

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ちょっと咲いてる…。ややこしいが、ここは妙顕寺なので、十月桜が有名な妙蓮寺ではない。妙蓮寺は後期展のときに行こうか。

はっ…!帰らないと。へぇ…日蓮さんは10月13日に亡くなったのか。あっ、そういえば、10月14日は我らが堺雅人公の誕生日であられたなぁ…。堺雅人聖人は今年で45才になられました。遅ればせながらおめでとうございます。『プーと大人になった僕』最高でした。ありがとうございました。また大河出てください。リーガルハイもまた復活してください。ありがとうございます。


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このかっこよさは言葉にできない……。ありがたや、ありがたや(拝)

 

ということで帰宅。

冗長すぎる駄文でしたね。最後までたどり着けた読者の皆様、お付き合い頂きありがとうございました。次回はもっとコンパクトにまとめたいけれど、、、(多分無理)